ー宇和島闘牛の舞台裏エピソードを聞かせてください。
亀山:牛たちは試合当日にトラックで会場に運んでくるんやけど、人間と同じで「車酔い」する牛が結構おるよね。
▲宇和島観光闘牛協会 亀岡副会長
亀岡:こないだのお盆場所にわしの所の牛を遠方から連れて来たんやけど、夏の暑さと前日に別のイベントがあって睡眠不足で、すっかり車に酔ってね。
顔見て「これはいかんなぁ」とは思ったんよ。試合前から疲れて汗びっしょりで。
闘わせるのは可哀相やったけど横綱戦やったから穴空けるわけにもいかん。
事務局:あの牛はよく闘ってくれたわい。
亀岡:試合は負けてしまったけど、自力で立ち上がってお客さんから温かい拍手を貰えたのが嬉しかったね。
亀山:牛主さんたちは大会当日に合わせて牛たちの体調を整えるんやけど、これが本当に大変よなぁ。
例えばずーっと体内に傷を持ってるんやけど、調教中は全然痛がる様子を見せず、試合当日に急に痛がり出してしまうとかな。
亀山:牛主さんたちは大会当日に合わせて牛たちの体調を整えるんやけど、これが本当に大変よなぁ。
例えばずーっと体内に傷を持ってるんやけど、調教中は全然痛がる様子を見せず、試合当日に急に痛がり出してしまうとかな。
上甲:牛が「ここが調子悪い」と喋ってくれたらなぁ。(笑)
事務局:調教の方法も牛主さんたち独自のやり方があるんよな。精をつけるいうてビールに、生卵、オロナミンC、お茶、ニンニンク、焼酎、はちみつをいっぺんに飲ませてみたりな。
上甲:それは二日酔いの薬も一緒にいるな。(笑)
亀山:みんな自分の牛がかわいいから、「勝てるように」と思いながら色々世話してやってるね。
▲調教中の牛たち
事務局:大会の組み合わせは宇和島闘牛の会員さんたちを集めて、相談しながら決めるんよな。 組み合わせを作るときには年齢、体重、格付け、前回の試合の様子から順々に作っていくんよ。
亀岡:ちょうどいい相手を探すのはなかなか一苦労よ。
事務局:2、3回協議して不公平のないように決めないといけん。くじ引きなんかでは絶対に決めれんなぁ。
曽根:苦労したぶんお客さんに「いい組み合わせやった」言うてもらえたら本当に嬉しいよな。
▲試合前の闘牛場牛舎
ー最後に『宇和島闘牛をもっと楽しむ』ポイントを教えてください。
▲目を血走らせて闘う
亀岡:牛たちのしぐさや様子を見て「この牛は勝てるぞ!」と予想して観戦するとおもしろいよ。
事務局:100%勝てるかどうかは牛主さんや試合を長年見てきた我々でもわからんけどな、予想するポイントは色々あるんよ。
まずは目やね。目がギラギラして、まわりの牛に怖気づいてないかどうか見るね。
曽根:普段の優しい目から一転、興奮して充血した目をするよなぁ。 試合前に一回土俵の中に入れるけど、その時に走りこむ牛は闘志がある証拠やね。逆に土俵から出るときに走って行く牛は怖がっとるとも言えるかな。
亀山:調子が悪い牛は必ず出口を探してるな。ちょっとしたときに目が出口に行くんよなぁ。 まぁ、これを見極めるのは難しいね。
事務局:番付表の裏に闘牛の技を載せてるけど、牛の動きは早いからどの技をしてるかはわからんやろ?
亀山:牛が瞬間的に繰り出す技には、アナウンスが間に合わんこともしょっちゅうよ。(笑)
事務局:全部の技がわかるようになるのは、難しいけど、最初に「押し」「向う突き」「ヒラ」「横掛け」の4つを覚えるといいね。牛たちはこの4つの技を出すために細かい技を繰り出しよるから。
亀山:何はともあれ、闘牛場に足を運んで実際に牛たちの闘いを見るのが一番! 闘志をぶつけ合って闘う牛たちの姿、牛主さんや勢子さん、お客さんたちの熱気をぜひ肌で感じて欲しいね!
▲宇和島観光闘牛協会 事務局
全3回でお届けした『闘牛を愛する男たちの座談会』はお楽しみいただけたでしょうか?
宇和島闘牛を語る「男たち」の表情はイキイキとし、闘牛への愛に溢れていました。
今後さらに人牛一体で盛り上げていく宇和島闘牛にご期待ください!